Post記事

鳥取市のお雑煮の歴史を調査!他の地域にはない独特の風習はなぜ始まったのかレポートします

正月の風物詩といえばお雑煮。でも、鳥取市周辺で元日に食べられるお雑煮は、他県とはちょっと違います。

鳥取出身で他府県に住んだことがある方や、他府県から鳥取に移住した方なら、驚かれた経験が必ずあるのではないでしょうか。

鳥取市周辺の独特なお雑煮文化はいつから始まったのか、歴史について調査した結果をレポートします。

他県の人は衝撃!鳥取市のお雑煮の主流は〇〇

実は鳥取市のお雑煮は、御ぜんざいなんです。通称「小豆雑煮」で、小豆を甘く煮たお汁に茹でた丸餅を一つ、あるいは二つ入れていただきます。

小豆はすでに甘く煮てある缶詰を温めるだけで、手軽に作れます。昔は前日から小豆を水に浸けて、じっくり煮込んで作ったようです。でも、少なくとも私が子どもの頃はもう缶詰を使っていました。

鳥取市出身の私としては、物心ついたときからお正月の朝ご飯といえばこの小豆のお雑煮。むしろかなり大きくなるまでお雑煮というのは御ぜんざいのことだと思っていました。

関東なら焼いたお餅を入れたお吸い物、関西なら白味噌を使ったお雑煮が主流と聞いたときには驚きましたね。

大学生になって県外で暮らしていたとき、「一月一日の朝は毎年御ぜんざいを食べる」と話したとき、同級生はみんな

「?????」

という反応でした。「それはお雑煮じゃない」「なんでお雑煮食べないの?」と聞かれました。なんで、と言われてもそれが習慣だったので、なんとも答えようがなかった思い出があります。

なんで鳥取市のお雑煮は小豆なの?歴史を深掘りしてみました

農林水産省ホームページには、各地の郷土料理を紹介するページがあり、その中に鳥取の小豆雑煮も紹介されていました。

由来は、と探してみると、「正確な由来は分かっていない」と記述がありました。正確には由来が分かっていないとは驚きです。

一説によると、小豆の赤い色合いに悪いものを追い払う力があり、おめでたい正月の食事として取り上げられたこと。初期の頃は今のように甘いぜんざいではなく、塩で小豆を煮込んでいたことが確認できるわずかな記録があるようです。

毎日新聞デジタルの記事にも、鳥取県立博物館学芸員の方のコメントがありました。「江戸時代にはこの習慣があったようだ」とのこと。小豆自体がおめでたい席で食べるものだったようなので、お正月のごちそうとして徐々に定着していったのでしょうか。

小豆雑煮の起源にはっきりした資料がほとんどないことに驚きです。「なんでぜんざいなの?」という学生時代の友人の疑問に、私は一生答えられないかもしれません。

他県にはこんなお雑煮があるらしい

鶏肉、野菜、魚介などを使った、いわゆるおかず系のお雑煮が全国的に主流ですが、鳥取市と同じように甘い味付けのお雑煮を食べる地域もあります。

全国のお雑煮の中から独特のレシピをいくつか紹介しましょう。

鹿児島県・殻付き焼き干しエビのお雑煮

殻付きのエビを素焼きにして干したものを、じっくり煮出して作るお雑煮です。かつては各家庭で年末に干しエビを作り、元日に出汁を取っていたそうです。軒先に吊るされた藁で繋げたエビが、冬の風物詩だったそうです。

近年では市販の焼エビを使って手軽に作ることができるようになりました。干し椎茸、里芋、豆もやしなどを入れたお出汁が香るお雑煮です。

北海道・鶏ガラ雑煮

鹿児島と同じお出汁系お雑煮です。鶏ガラを煮込んだスープに鶏肉、焼いたお餅、セリ、なるとを入れるのが特徴です。味付けには必ずお砂糖を使うことから、甘みが立った風味になるのだとか。

北海道では家庭で鶏ガラスープを作るため、年末になるとスーパーなどで鶏ガラがよく売られるようです。濃厚な出汁が煮込んだお餅に染み込んだ、ガッツリ系のお雑煮です。

香川県・あんもち雑煮

あんこを包んだ丸いお餅を、白味噌などのおつゆに入れて食べるお雑煮です。丸く包むことで「悪いことも丸く収める」という意味が込められているのだそうです。

他の具材は大根や金時人参とシンプルですが、必ず丸く切るのがルール。「家庭円満」を意識して、丸い形を大切にしているそうです。

甘いあんこのお餅と白味噌のお汁が合わさった、甘じょっぱい味わいのお雑煮です。

奈良県・きな粉雑煮

奈良県の吉野地域を中心に食べられている白味噌のお雑煮のお餅を取り出して砂糖を混ぜたきな粉につけて食べるお雑煮です。

白味噌のお汁に人参や大根を入れておめでたい紅白の色合いにすることが特徴です。きな粉をつける理由は、黄色い色を稲穂に見立て、その年の豊作を祈願するためと言われています。

塩気、甘みと交互に変化させながら食べられる味変系のお雑煮です。

鳥取市のお雑煮まとめ

出典 とりネット

全国的にも珍しい鳥取市の小豆雑煮。お正月以外の時期には御ぜんざいなのですが、元日に食べるときだけお雑煮と呼ぶ地域もあるとのことです。

なぜこの食文化が始まったのか定説がないという謎のお雑煮。ただ、小豆はお豆なのでタンパク質が豊富で、お餅の糖質と合わせて成長期のお子さんの朝ご飯にはおすすめです。お正月の朝食として、一年の健康を祈願するには良いかもしれません。

ご当地のお雑煮もいいですが、簡単に作れて美味しいのが鳥取の小豆雑煮の特徴です。お正月の朝ごはんとして他県の方もぜひ作ってみてください。

#グルメ #お役立ち

この記事をシェアする

この記事をシェアする

関連記事

リンクをクリップボードにコピーしました
記事を書きたい! 投稿はコチラ
OPEN CLOSE

投稿を書きたい!
投稿はコチラ

line
OPEN CLOSE

LINE公式アカウント
お役立ち情報をお届けします!

line