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地面の下を調べてみよう!山陰海岸ジオパークの自然や地形について学ぶイベント
山陰海岸ジオパーク 海と大地の自然館を主体として、11月3日に岩美町の又助池周辺の土や地層を観察する体験会、「地面の下を調べてみよう!」が開催されます。
令和元年と令和5年にも同じイベントがあり、地質調査のプロの方を講師として迎え、参加者が土や地層の状態を観察しました。
山陰海岸ジオパークがどのように形成されたのか、そして今の残る自然がどんな価値を持っているのかを知る貴重な体験となります。
2024年度の開催情報や、山陰海岸ジオパークとはなんなのかについて、過去の調査の際のレポートも合わせて紹介します。
目次
2024年度「地面の下を調べてみよう!」開催情報
参考 鳥取県ホームページ
地面を掘り起こしたり、簡易ボーリング器を用いてより深い場所の地層の様子を観察します。汚れてもよい服装、雨具、運動靴、軍手などを必ず準備して参加してください。
筆記用具、カメラ、もしあればルーペがあると便利です。定員は先着で20名、参加者の年齢についてとくに決まりはないようですが、小学生くらいのお子さんとお父さんお母さんが一緒に参加すると楽しいのではないでしょうか。
問い合わせ先は山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館で、開催日時は11月17日です。当日のスケジュールは以下の通りです。
- 集合場所、時間 渚交流館駐車場 8時30分〜9時
- 移動 又助池
- 掘削体験 9時20分〜10時30分
- 座学と観察 10時45分〜15時(昼食を挟む)
山陰海岸ユネスコ世界ジオパーク・地質学的に価値の高い地形
ジオパークとは、世界各地の貴重な地形、景観を保護保全するともに、その価値を教育の場を通して理解してもらうことを目的としたユネスコの認定事業です。鳥取県岩美町を含む山陰海岸も、2010年の加盟、2014年のエリア拡大に伴う再認定を経て、2015年に正式にユネスコジオパークとなりました。
地形、地層、景観というものは、何億年という時間によってつくられるものですが、一度壊れてしまうと元に戻すことはかなり難しい、失われやすいものだという性質を持っています。
そうした貴重な自然の意味や価値を、小学生や中学生を初めとして多くの人たちに知ってほしい、そして大切にしてほしいという事業なのですね。
山陰海岸の地質学的価値
山陰海岸は他国のジオパークと違い、独立した島に形成された地形という大きな特徴を持っています。各地の洞窟や岩石、渓谷を調べることで、日本海がどんなふうにできたのか、そこにどんな生き物が生まれたのか、そして人の生活とどのようにかかわってきたのかがわかります。
それだけではなく、火山の影響でできた地層、鳥取砂丘周辺の広大な砂地、波による浸食や地殻変動の影響を受けた海岸線など、多種多様な景色がつぎつぎ現れています。これこそが、山陰海岸が貴重な景観としてユネスコ認定を受けた理由です。
近年では景観保全だけでなく、アクティビティとして楽しむ「ジオツーリズム」という活動も注目されるようになってきました。
自然観察を通して歴史や文化に触れ、体を動かして気持ちをリフレッシュし、観光資源としても成長させる。多くの目的と可能性をもった取り組みといえます。
「地面の下を調べてみよう!」過去の開催レポート
2023年度開催の時には、ハンドオーガーボーリングという道具を使って地層の採集を行っていました。
ボーリングとは、地面に大きな筒を差し込み引き抜くことで、どんな種類の土がどのような順番で積み重なっているのか調べる方法です。
ハンドオーガーボーリングは、小学生でも扱える小型の掘削機で、約2mまでの柔らかい地面の様子を調べるために利用されます。
2023年開催の会でも、子どもたちが自分で掘削機を扱い、土壌を救い上げて状態を調べたようです。地面の下は普段見えません。プロでも掘ってみるまで分からないこともよくあるそうです。私が学生時代に、地質調査を行う先生から直接伺いました。
何が出てくるか分からない、だからこそ調べることに価値があり、面白い。お子さんの興味の幅が広がるきっかけになるといいですね。
親子で身近な地形について学ぶ機会です
山陰海岸ジオパーク 海と大地の自然館が鳥取県の事業として行うイベント、「地面の下を調べてみよう!」について紹介しました。
使用されるハンドオーガーボーリングという道具は、硬い地面や3m以上の深さではなかなかうまく扱えないようです。だからこそ、地質調査がどれだけ大変か知るよい機会になります。
また、鳥取県内では岩美町を中心とした地域で、ジオツーリズム、ジオパークトレイルなどのアクティビティも体験できます。
今回のイベントを通じて、自然の景観に興味ができたら、次はぜひそのほかの地域の海や大地を観るために、いろいろなスポットへ出かけてみてください。