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【後編】「Nextep」さんにインタビュー!Nextepが提供する就労継続支援B型事業とは?
「就労継続支援B型事業」とは、一般企業で働くことが難しい方に対して生産活動の場を提供し、その生産活動を通して工賃を得たり、社会との接点を持って働ける機会を提供していくサービスです。
鳥取市扇町にある「就労移行支援事業所・就労継続支援B型事業所Nextep」。
ここでは現在、就労移行支援事業所に10名、就労継続支援B型事業所には14名の方が、就職に向けて、日々ワークを行っています。
今回は、Nextep代表取締役・杉原僚太(すぎはらりょうた)さんへのインタビュー後編をお届けします。
前編では、「就労移行支援事業所」についてお伺いした内容をご紹介しました。前編をまだご覧になっていない方は、ぜひそちらもあわせて読んでみてください。
今回の後編では「就労継続支援B型事業所」の支援内容やNextepの特徴などについて、お伺いした内容をお届けします。
目次
就労継続支援B型事業所Nextepの支援内容は?
我々の事業所では、大きく2つの生産活動を提供しています。一つが高齢者向け配食サービスの盛り付け作業、もう一つがパソコンに関連した作業です。こちらは具体的に、企業様のホームページの問い合わせフォームから、お客様の代わりになってメッセージを送信する「メッセージ送信代行」という仕事をしています。
どちらも非常に単純な作業で、比較的誰でも取り組むことができる内容となっています。
ーーありがとうございます。「就労継続支援B型」は、利用者さんと”雇用関係”にあるわけではないんですよね?
はい。利用者さんとは雇用関係にあるわけではないので、それぞれの体調や調子に合わせた働き方をしていただいています。現状、Nextepには14名の利用者さんがいらっしゃいますが、週3日利用される方もいれば週5日利用される方もいらっしゃいます。
ーーなるほど。シフトのように組まれるわけではなく、自分の体調やペースに合わせて働くことができるんですね。
他にも、「週5日は通えるけど、長時間働くのはちょっと難しい」という方には「午前中だけ/午後だけ」という働き方をご提案したりと、利用者さんそれぞれが抱える悩みや特性に配慮した形で、利用いただいています。
就労継続支援B型事業所「Nextep」の特徴
就労継続支援B型事業所としての大きな特徴は、在宅での利用にも対応している点です。以前はなかったんですが、コロナをきっかけに在宅での利用が認められており、最低月に1回通所いただくことを条件に、在宅での利用もOKとしています。
他の事業所さんですと、実際に通所して生産活動を行うことがメインですが、Nextepはパソコンでの作業も提供しているので、家にネット環境があればご自宅でも作業をしていただけます。なので、通所が難しい方に対しては、家で作業してもらうというようなことも行っています。
パソコン関連の作業は、パソコンを全く触ったことがない方でも、 “働きながらパソコンの使い方を覚えていくようなスキルアップできる仕組み”にもなっているので、B型とはいえ、ゆくゆくは一般就労したいというような方にも利用いただいていますね。
一般就労を目指す方にはスキルアップを目標とし、とにかくB型を安定利用したいという方には、まずは課題解決を目標に作業をしていただく、といった形で、 こちらも移行支援同様、それぞれの課題に対してその課題を克服するためのサポートを行なっています。
在宅の利用は、リモートワークのようなイメージですか?
在宅利用されている方のおおまかな流れとしては、作業開始時と終業時にメールで連絡を送ってもらい、作業している中で質問等があれば、随時電話やZoomで連絡を取り合う、といった形ですね。
在宅で利用できる就労継続支援B型事業所は珍しいのでは・・・?
そうですね。在宅での利用を可能としている事業所は、おそらく鳥取市ではNextepだけかなと思います。
今後は増えていくと思うものの、そもそもパソコン関係じゃないと在宅での作業は難しいとは思うので、なかなか増えていきづらいのではとも思っています。
具体的な利用事例と利用者さんの声
利用者さんのなかに、子育てや家庭のことでなかなか作業所に通う時間が取れないため、在宅でNextepを利用し、パソコン関連の作業をされている方がいらっしゃいます。
在宅利用することで、通所時間の削減につながるうえ、家庭のこともある程度自分のペースで取り組めるそうで、「本当に在宅でのB型利用ができてよかった」といったお声をいただいています。
この辺りは一般就労でも同じなのですが、家のことと仕事のことを両立するのは、やはり難しいと思うんです。「子育てや家庭のこともやりながら、就労継続支援B型作業所を利用したい」という方には特に、“在宅で利用できる”というNextepならではの強みが、かなりいい影響を及ぼしていると感じますね。
現在感じている課題と、解決に向けた取り組み
B型の課題としては、やはり作業自体が誰でもできるというところから、どうしてもやりがいだとか社会貢献みたいなところが薄くなりがちです。わりと単調作業が多いが故に、「飽きる」ということも出てきているのが現状です。
ーー取り組みやすい作業であると同時に、少し飽きやすい部分もあるわけですね。
そうですね。ここの課題に対し「もっとやりがいを感じられ、もう少しクリエイティブな作業を提供できないかな」というのを、ずっと考えています。
そこで今回、課題解決のひとつとして、このようなインタビューを受けている「メディア運営」にも事業所として携わらせていただいていただくことになりました。記事の執筆だとか、バナーの画像作成などという生産活動を新たに取り入れることにより、より社会貢献の実感や社会との繋がりをより意識していただけると思います。
就労継続支援B型事業所の利用を考えているみなさまへ
B型も、先ほどの移行支援と同様に、あまりカチっとした決まり事はありません。なので、利用できる範囲で利用してもらい、その中で、最大限工賃を得たり、社会参画をしていただけたらと思います。
もし仮に、この先一般就労を目指すのであれば、移行支援へもスムーズに切り替えられますし、もし一般就労を目指さないという場合にも、長く楽しく利用いただける事業所かなと思います。工賃も鳥取市の平均より高い金額になってますので、割と工賃も得られやすい事業所です。
事業所を探している方は、是非1度見学にお越しください。
さいごに
Nextepの大きな特徴は、就労移行支援と就労継続支援B型の「多機能」であるという点です。
就労移行支援はあくまでも一般就労を目指す方が利用対象ですが、 利用期間が2年という縛りがあるため、就労移行支援のみの事業所だと、この2年間をどう使うかが非常に重要になってきます。
我々Nextepの場合は「多機能事業所」ですので、例えば「まず移行支援に入り、しばらくやってみたものの、一般就労はまだ先になりそう」という方には、一旦B型に利用を切り替えてもらい、B型で基本的な課題克服に向けた取り組みをしてもらう。その後、ある程度一般就労が見えた段階で、移行支援に移る、ということも実現可能となります。
利用者さんの違いとして、一般就労が目指せるかどうか、という部分は大きくあるのですが、Nextepならば、すぐすぐに一般就労というのが難しくても、B型を利用して訓練をして、その延長線上に移行支援があるというような流れができているので、この「多機能」というのが、Nextepの特徴でもあり、最大の強みだと思っています。
就労継続支援B型事業所Nextep
施設名 | 就労継続支援B型事業所Nextep |
住所 | 鳥取県鳥取市扇町3番地 東栄ビル408 |
事業内容 | 就労移行支援、就労継続支援B型 |
受付時間 | 10:00〜18:00 |
電話番号 | 0857-32-7057 |
HP | https://bac-bac.com/ |