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東京から鳥取県岩美町へ〜移住者が語る岩美町の魅力と豊かな暮らし〜
自然豊かな場所で暮らしたい、のんびりと自分らしい時間を過ごしたい。そんなライフスタイルに憧れる人は少なくないでしょう。
今回は、都会の便利さを捨て鳥取県岩美郡岩美町への移住を決めたご夫婦に話を伺いました。
なぜ都会を離れ、新たな生活を選んだのでしょうか。移住のきっかけや、現在の生活について迫ります。
インタビュイーのご紹介
今年1月に岩美町に移住をし、同時に「いの整骨院」を開業された伊能勢さんご夫婦。
もともとは、東京都内で暮らしており、都会ならではの苦労もあったそうです。
家族構成は、ご夫婦とお子さん1人の3人家族です。
※ご夫婦が営む「いの整骨院」については別記事「いの整骨院ってどんなところ?」で紹介していますので、ぜひそちらもあわせて読んでみてください。
目次
なぜ移住をしたのですか?
(奥様)整骨院を開業したいという夢を持っていたのですが、東京では競合が多くてなかなか難しいと感じていました。そこで、地域医療に貢献したいという思いから、田舎で開業することを決意しました。私の実家が豊岡にあるので、そこから車で1時間半圏内の地域で探していたところ、岩美町にたどり着いたんです。
岩美町へ移住の決め手はどこでしたか?
(奥様)初めて岩美町を訪れた時、本当に一目惚れしました。
美しい海と豊かな自然に囲まれた環境、そして温かい人々の雰囲気がとても気に入って。移住者に対するサポート体制も充実していたので、安心して暮らせると感じました。
(旦那様)岩美町では医療従事者が不足しているという話を聞き、地域に貢献できるという点でも魅力を感じました。
(奥様)以前に岩美町が「住みたい田舎ランキング」で1位になったのを知っていたので、実際に訪れて人気の理由に納得出来ました。
他にも、淡路島や伊勢なども候補地として考えていましたが、岩美町の自然と人々の温かさに惹かれ、最終的に移住を決めました。
移住の準備はどのように行いましたか?
(奥様)まず、東京の移住相談センターで相談をしました。そこで、鳥取にある「鳥取県よろず支援拠点」を紹介してもらい、開業に関することを中心に、何度もオンラインで相談に乗ってもらいました。
「よろず相談拠点」の担当の方が、株式会社ウッズカンパニーの方(※地元の施工会社さん)と知り合いだったことが大きく、土地探しや建物のことなど、多くのことを教えてもらいました。実際に今の土地もその方に見つけていただいたんです。
岩美町では、移住者に対するサポートが非常に手厚く、お金をかけずに様々な相談に乗ってもらえました。おかげでスムーズに移住の準備を進めることが出来ました。
岩美町での生活はいかがですか?
(旦那様)岩美町の環境は本当に素晴らしいですね。海が近く、海風が心地よく、夏の暑さもそれほど感じません。都会ではコンクリートからの照り返しが厳しくて暑かったのですが、こちらは自然の涼しさを感じられます。
また、地域の人々の温かさに触れる機会が多く、特に子どもへの理解が深いことに感動しました。うちの子は自閉症なのですが、東京では電車で騒いでしまうと白い目で見られたり、病院でも偏見を感じることがありました。しかし、岩美町では温かい目で接してくれ、安心して暮らすことができています。
岩美町での生活がもたらした変化はありますか?
(奥様)岩美町に移住して、息子が大きく変わったんです。以前は自閉症のため、人前でパニックになることも多かったのですが、今は周囲の人と積極的に関わることができるようになりました。人が少ない落ち着いた環境が、息子には合っているのかもしれませんね。
あと、移住当初は、冬の厳しい寒さと雪に戸惑いました。特に、経験したことのないほどの雪には本当に苦労しました。でも、少しずつ慣れていくうちに、四季の移り変わりが本当に美しいことに気づきました。冬の寒さがあるからこそ、春の温かさがより感じられるし、夏の海は格別です。最近では、秋の気配を感じたりもして、自然のサイクルを実感できるようになりました。
(旦那様)東京での満員電車での通勤や慌ただしい日々から解放され、自営業という働き方になったことで、心身ともにリフレッシュできました。以前までの満員電車での通勤がいかに体に負担をかけていたかを実感しています。おかげで、健康面でも良い変化を感じています。
岩美町で生活して良かったこと、大変だったことは?
良かったことは?
(旦那様)岩美町の魚介類は格別です。都内で食べる刺身とは比べ物にならないくらい新鮮で美味しいです。
それと、海がすぐそこなので、いつでも海水浴を楽しめます。都会のようにレジャー施設にたくさんお金をかける必要がないのも嬉しいですね。
(奥様)岩美町、それに鳥取市には、子どもと一緒に楽しめる場所がたくさんあります。かにっこ館や重箱公園、ジオパークなど、自然に触れ合えるスポットが充実しています。
特に、息子は自然の中で遊ぶのが大好きなので、とても喜んでいます。都会ではなかなか味わえない、ゆったりとした時間を過ごせるのが魅力ですね。
あと、子育ての面でも良かったことがあります。自閉症の息子を、岩美町の保育園は快く受け入れてくださったり、町役場での手続きなど、本当に手厚いサポートを受けました。初めての事例だと言われましたが、療育園の先生や、主治医など、関係各所へ繋いでいただき、とても助かりました。
東京では、すべてを自分で調べ、手続きを進めなければいけなかったので、岩美町のサポート体制には本当に感謝しています。町の皆さんも子どもに対して温かく接してくださり、安心して子育てができる環境が整っていると感じています。
大変・不便だったことは?
(奥様)移住して最初に驚いたのは、想像以上の雪の量でした。子どもは雪に埋もれても喜んでいましたが、雪かきは本当に大変でした。鳥取の冬の厳しさを、身をもって体験した瞬間でした。
(旦那様)仕事に関しては、地元の方々がゆったりとしたペースで仕事を進めることに少し戸惑いました。もっと積極的に意見交換ができれば、仕事ももっとスムーズに進むのではないかと思っています。
あと、方言が強いのは衝撃でしたね。1回ではなかなか聞き取れません・・・笑
それともう一つ、大人向けの娯楽施設が少ないのは、少し寂しいですね。子どもを連れて遊びに行く場所はたくさんあるのですが、大人が楽しめるような場所は限られています。特に、仕事終わりに気軽に立ち寄れるような飲み屋さんが近くにあれば嬉しいのですが、終電が早いのでなかなか難しいのが現状です。
地域での繋がりは感じていますか?
(奥様)岩美町に移住して、他の移住者の方々との交流も深まりました。中には、地域で宿やカフェを経営されている方もいらっしゃいます。地元のマルシェに参加する機会もあり、自然とコミュニティが広がっていきました。
名前がついた会合という形ではないのですが、誰かを紹介してもらうと、その方がさらに他の方を紹介してくれるみたいな形で、地域のネットワークの広がりを感じます。
(旦那様)地元の学生たちと交流したり、マラソン大会に参加したりして、地域の方々とのつながりを深めています。
マラソン大会では、フィジカルなトレーニングやケガ予防に関する指導を行い、地域の方々との交流の機会が増えました。
ボランティア活動を通して、地域の一員としての意識も高まっています。
今後の展望は?
(奥様)贅沢は求めていません。家族と楽しく、そして仕事も充実させていきたいと考えています。この町で、自分らしく、そして家族みんなで笑顔あふれる日々を送りたいですね。
(旦那様)近所の方々と気さくに酒を飲んだり、患者さんとの関係をもっと深めたりしたいと思っています。地域の行事に積極的に参加して、地域の方々との交流を楽しみながら、のびのびとした時間を過ごしたいですね。何かに追われることなく、この町で自分らしく生きていきたいと考えています。
取材後記
今回の取材を通して、移住してきて良かったという思いがご夫婦から伝わってきました。
まず、自然豊かな環境の中でご家族が穏やかに暮らしている様子が印象的でした。お子さんの成長を喜び、地域の方々と積極的に交流する姿は、岩美町という場所の温かさを物語っているようにも感じました。
また、移住当初の苦労から、現在の充実した生活に至るまでの道のりがよくわかりました。雪との戦い、仕事の変化、地域との交流などは共感できる方も多いと思います。
地方移住は、単なる生活の場を変えることではなく、自分自身を見つめ直す貴重な機会になると感じました。
そして、岩美町が単なる観光地ではなく、生活の場として魅力的な場所であることが改めてわかりました。自然、人、そして暮らし、さまざまな要素が調和したこの町で、伊能勢さんご夫婦がどのように未来を築いていくのかとても楽しみになる、そんなお話を聞かせていただきました。