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鳥取市元町にミニシアターがオープン!鳥取市の新しいコミュニティ拠点創設への取り組み【Cinema Door】(シネマドア)をレポートします
鳥取市元町に、鳥取市では数十年ぶりとなる小さな映画館が新しくオープンします。
かつては鳥取駅前を中心に、市内全体で8館程度あった映画館も、2026年では「鳥取シネマ」一件だけとなり、もはや映画砂漠とまで呼ばれる鳥取市です。
そこへ新たに誕生する「ミニシアター」とはどのような場所になるのか。
映画館という場所がもつ「特有の魅力」とそこを拠点にした新たな中心市街地活性化の展望について、「シネマドア鳥取合同会社」の代表、金塚敬子さんにお話を伺いました。
なぜ鳥取市にミニシアターを作ろうと思ったのか

金塚さんは茨城県出身で長く東京に暮らし、2024年に鳥取市にIターンされました。
以前から鳥取県に訪れる機会があったことなどから、「田舎暮らし」をしてみたいという興味がわき、鳥取市移住支援団体が主催する「お試し定住」を利用したそうです。
その際、都会にはないのんびりとした時間の流れ、空気や水の豊かさと食べ物などに惹かれ、移住を決意されました。
ミニシアター作りを思い立ったきっかけは非常にシンプルで、「鳥取市内に常設のミニシアターが一つもない」からです。
東京を中心とした都市部では、客席が20〜30程度の小さな映画館で、オーナーこだわりの作品やまだ無名の監督が撮った名作、独自のテーマに基づいたドキュメンタリーなどを上映する小さな映画館、「ミニシアター」が多くあります。鳥取市で暮らしていると、あまり馴染みのない場所に感じますね。
ですが、観たいな、と思った映画を観たい時に映画館で見られるミニシアターという形態は、日常に根付いた身近なエンターテインメントといえます。その気軽な娯楽の場所が一つも無い、ということが素朴な驚きだったようです。
その後、鳥取市に移住した方たちの交流会の場所にて、「ミニシアターを作りたい」というアイディアを提案したところ、現在シネマドア鳥取合同会社の中心となる3人の方の共感を得て、プロジェクトが発足しました。

「シネマドア」は映画へのドア。「人と人のつながりへのドア」「映画を通じた新しい世界へのドア」というコンセプトが込められています。
プロジェクト発足が2025年2月のことで、オープン予定日が4月ですから、一年余りという素晴らしいスピードで企画が進行したのだといえます。
金塚さんと同じく鳥取に移住してきた方たちや、自主上映団体「シネマふねえとる」を主催する清水増夫さん、鳥取大学地域学部の竹内潔准教授、同大学生や青翔開智高校に通う高校生などのボランティアとともに、2026年1月現在オープンに向けての作業が急ピッチで続けられています。
ミニシアターで鳥取市にどのような変化を期待するのか

シネマドアが目指すものは、映画館という場所を通じたコミュニケーションの場所、そして映画という媒体を通じた中心市街地および鳥取市内のお店やスポット同士の連携です。
シネマドアでは、映画を観るだけでなく上映後にちょっとした飲み物などを介して、映画について語り合える場所を作るというビジョンがあります。そのため、入口を入ってすぐのスペースは簡単なカウンターのある飲食ブースとなる予定です。

鳥取県内のムービックス日吉津のような大型の映画館では、一回の上映が終わるとすぐお客さんの入れ替えが行われ、次の回の上映準備に入ります。
対してミニシアターは、映画に興味を持つ方同士が、その場で初めて顔をあわせたのだとしても、上映の終わった映画について率直に語り合うという時間がよくあります。映画ファンの間では、ごく普通のやり取りのようです。
「この映画館だったから」「このフィルムが上映されたから」「そこにこの人が居たから」「たまたま今日観に来たから」という一期一会的な出会いがあるかもしれない場所。それがミニシアターのもつ独特な魅力といえます。
人と人の新たなつながりを創出し、人のつながりが場所と場所のつながりを生むことで、中心市街地の活性化につながることがシネマドアの目指す最初のゴールとなっています。

それに関連して、中心市街地で営業している書店やカフェ、レコードショップなどとの連携も視野に入れているのだそうです。
映画を見たあと関連する書籍を探しに行きたい。映画で流れていた音楽を演奏しているバンドのほかの曲を聴きたい。
こうしたニーズに答えるべく、映画館からほかの店舗へ通じるガイドを設置し、市民や観光客など映画を観たお客さんが鳥取市内をうまく回遊できるルートを作ること。そしてお店や街全体の魅力度アップにつながること。シネマドアはその拠点の一つになることを目的に活動します。
40代であるライターが子どものころは、ちょうど家庭用のレンタルビデオショップや再生機器が爆発的に普及し、映画館離れが一気に加速した時期に重なります。そのため、映画館という場所そのものとの関わりが薄れ始めた最初の世代ではないかと感じます。
2026年現在、鳥取市在住の30代、20代の方にとっては映画館はさらに遠い存在かもしれません。
シネマドアでは、まず映画館のファンであった世代であるシニア層へ存在を周知し、いずれは鳥取市内のもっと若い世代の方への情報発信を考えています。
映画の魅力と映画館の持つ「場所の力」の楽しさを、十代、二十代の方たちに知ってほしいと期待します。
2月2日までクラウドファンディングを実施中です

シネマドアは、クラウドファンディングプラットフォーム「MOTION GALLERY」にて2026年2月2日までクラウドファンディングを実施中です。
目標金額は400万円、集まった資金は内装工事費や音響設備、上映機械の購入に当てられます。
消えかけた鳥取市の映画の灯火を守りたい、映画で鳥取を元気に! という理念に賛同される方は、ぜひご参加ください。
詳しくはこちらをご参照ください。
オープンスケジュール

シネマドアは2026年4月3日にグランドオープンを、3月14日にプレ・オープンイベントを予定しています。
当日の上映作品、時間はまだ未定ですが、オープン後は週5日開館、1日3回程度映画が上映されるようです。
詳しくはこちらを御覧ください。
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