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鳥取市の母子家庭に対する手当や支援を解説。給付金の種類や申請方法について

鳥取市が制定している母子家庭、あるいは父子家庭などのひとり親家庭に対する手当について解説します。

ひとり親家庭の一番の課題は、経済的な安定を図ることが難しいということです。ゆえに、基本的な生活を維持するため、入学や進学で不利にならないためなど複数の給付金が定められています。

その他、低利子で借りられる「貸付け金」制度もあるため、給付金との違いについても解説します。

鳥取市から母子家庭等へ支給される給付金

鳥取市が制定している母子、父子、寡婦などのひとり親家庭への給付金制度は、大きく4種類に分けることができます。

  • 児童扶養手当
  • 母子家庭等自立支援給付金
  • ひとり親家庭児童入学支度金
  • 高等学校卒業程度認定試験合格支援事業給付金

この4つです。「給付金」なので返済の必要はなく、基本的に用途も自分で決めることができます。しかし、厳密には使用目的が限定されている給付金があるため注意が必要です。

ただし、ひとり親家庭児童入学支度金の申請期間は毎年4月以内に終了するため、令和7年度の受付は終了しています。

それぞれ詳しく解説していきます。

児童扶養手当

児童扶養手当は、両親が離婚、あるいは一方が死亡、または一方に虐待されたため離れて暮らしている等のひとり親家庭に支給される給付金です。父あるいは、母または児童を養育している人物に対して支給されます。

父あるいは母に重度の障害がある家庭や、両親ともに不明となっている児童の養育者、婚姻していない状態で出産した母も支給対象となります。

受給期間は養育されている子どもが18才になる日から数えて最後の3月31日まで、または子どもに一定の障害がある場合は20才の誕生日までとなっています。

手当が支給されない場合の要件

上の見出しに上げた条件に当てはまる家庭の親、養育者、児童に対してでも、ある要件を満たしている場合は手当が支給されないため、注意しなくてはなりません。

支給対象とならない要件を父と母で比較します。

児童を母が養育している場合児童を父が養育している場合
児童が児童入所施設等に入所しているか、里親に委託されている児童が児童入所施設等に入所しているいか、里親に委託されている
父親が児童の生活費、学費、医療費等を負担している母親が児童の生活費、学費、医療費等を負担している
児童が母の配偶者に養育されている児童が父の配偶者に養育されている
離れて暮らしている父あるいは母が児童の生活に関わる資金を負担したり送金したりしている場合を、「生計を一にする」と言います。

離婚などの理由で片親家庭となっていても、父または母が児童と生計を一にしているなら児童扶養手当の対象とはなりません。しかし、児童に重度の障害がある場合は除かれます。

申請方法

申請先は鳥取市役所のこども未来課、または最寄りの総合支所の市民福祉課ですが、通常手続きには1時間程度の時間が必要です。ゆとりを持って申請できるよう事前に注意しておいてください。

申請に必要な手続きの流れです。

  • 受付票に記入します(ひとり親家庭となった経緯や生計状況などを記入します。その場で記入することが可能です)
  • 申請に必要な書類について説明を受けます
  • 書類を揃えて提出し、市の審査結果を待ちます
  • 審査に通ると認定通知書と児童扶養手当証書が送付されます

申請に必要な書類の種類も個人個人の状況によって変化します。例えば、離婚後住んでいる場所がマンションやアパートの場合は賃貸借契約書、実家の両親の家で暮らしている場合はその建物の登記書、といった具合です。

窓口に相談に行ったとき、職員さんが状況を聞き取りされて、「あなたの場合はこの書類が必要です」という指示をくれます。ただし、書類に不備があった場合には修正するため市役所に行かなくてはいけません。専門的な書類の記入はたいへんですが、間違えないように丁寧に作成してください。

支給日と支給金額

申請を行い、支給認定を受けた場合毎年1月、3月、5月、7月、9月、11月に指定の金融機関に給付金が振り込まれます。

支給額は児童が一人の場合は月額46,690円、2人以上いる場合は1人につき11,030〜5,520円の範囲で加算されます

また、父または母あるいは養育者の所得や扶養親族の数に応じて控除行われ、支給金額が変化します。詳しくは鳥取市ホームページを参考にしてください。

母子家庭等自立支援給付金

母または父などが一人で子どもを養育する場合には、経済的な安定が必修となります。母子家庭等自立支援給付金とは、扶養者が就職するために必要な資格を取得するまでの生活費、または学費の一部を支給する制度です

生活費支援の場合を高等職業訓練促進給付金、学費支援の場合を自立支援教育訓練給付金といいます

高等職業訓練促進給付

「高等職業訓練促進給付金」は、美容師、看護師、介護福祉士、シスコシステムズ認定資格などを取得するため一定期間訓練校に入学する場合が対象です。1年以上養成機関で修業する場合に、生活の負担を軽減する目的で給付されます。

申請を希望する場合、鳥取市こども未来課に相談してください。その後、必要な書類を準備して申請を行います。書類は以下のものが必要です。

  • 養成機関の在学証明書
  • 申請者及び児童のマイナンバーが確認できる書類
  • 申請者及び児童の戸籍謄本または戸籍抄本(児童扶養手当を受給している場合は省略可)

自立支援教育訓練給付金

「自立支援教育訓練給付金」は、片親家庭の父または母が就職に必要な資格や技術を身につけるために学校等通う場合に支給されます。

学費の6割相当額あるいは就学年数×20万円が支給されることになっています。支給開始は受講終了後となるため、先に学費を負担しなくてはなりません。

受給申請するには鳥取市役所こども未来課に相談し、どの講座を受講するのかを決めて、「対象講座指定申請」を行ってください。講座指定申請に必要な書類は以下の通りです。

  • 申請者と児童の戸籍謄本または戸籍抄本
  • 受講する講座の内容が確認できる書類
  • 受講者の身分証明書(運転免許書等)

進学先が決定し、受講を修了したら終了日以降30日以内に以下の書類を準備して「支給申請手続き」を行います。

  • 受給者資格者本人と児童の戸籍謄本または戸籍抄本
  • 児童扶養手当を受給している場合は児童扶養手当証書の写し
  • 受給資格者の所得に関する証明書
  • 受講対象講座指定通知書
  • 受講終了証明書
  • 受講施設の長が発行した、受講者が支払った経費に関わる領収書

ひとり親家庭児童入学支度金

ひとり親家庭の児童が小学校または中学校に入学する際に申請が可能になる給付金です。制服やランドセル、学用品に購入に当てるための資金です。

対象となるのは小学校または中学校の入学を控えたひとり親家庭の養育者で、支給金額は児童1人に対し10,000円です。ただし、所得税課税者と生活保護受給者は対象になりません。

高等学校卒業程度認定試験合格支援事業給付金

ひとり親家庭の児童、生徒が経済的な理由で高校に進学できなかった、または十分な学習環境を整える事ができなかった場合の救済措置といえる手当です。「高等学校卒業程度認定試験」の合格を目指すための費用の一部が負担されます。

「高等学校卒業程度認定試験」(※以前は大検、大学入学資格検定と呼ばれていました)に合格することで、「高校を卒業したものと同等かそれ以上の学力を持っている」と公式に認められるため、大学受験が可能になります

申請場所するにはこども未来課で事前に相談し、以下の書類を準備してください。

  • 児童扶養手当証書
  • 子、または扶養者の個性謄本あるいは抄本(児童扶養手当を受給している場合は無くても可)
  • 受講している、あるいは受講予定の講座の内容が確認できるもの
  • 子の本人確認書類

また、実際に金額を請求する場合は受講終了から30日以内に、以下の書類を持ってこども未来課に請求しなくてはいけません。

  • 児童扶養手当証書
  • 受講対象講座指定通知書
  • 受講修了証明書
  • その他経費についての領収書

片親家庭に対する貸付金

給付金以外の手当として定められているのが、「母子・父子・寡婦福祉資金の貸付」事業です。母子家庭、父子家庭の経済的自立や児童の安定した生活保持のために、低利子、または無利息で一定の金額の貸付を受けることができます。

給付金と異なり「貸付け金」という形になるため、返済の義務が生じることに注意が必要です。貸付け金の用途としては、受験料や進学のため必要な物品の購入、父または母あるいは本人が就職するために学校等に通う場合の授業料が想定されています。

給付金や支援制度を活用して安定した生活を

母子家庭等に対する給付金制度4つと貸付け金事業について解説しました。金銭的な援助以外にも、鳥取市では母子・父子支援員の配置や家庭・婦人支援員を設置することで、一人で子育てをするお父さん、あるいはお母さんの精神的な不安も解消しようと試みています。

例えば、一人で赤ちゃんを育てているお父さんの場合、おむつ交換台が女子トイレにしかなくて困ったということもあるかもしれません。

かつては「ひとり親家庭」というとほとんどが母子家庭でした。そのため父子家庭への支援が遅れたことによる反省から、2024年現在では全国の自治体で様々な支援策が講じられるようになっています。

しかし、福祉制度の大きな課題が「制度はあっても知っている人が少ない」ということです。ぜひ今回の記事を参考に、利用できる支援策を十分に活用してください

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