Post記事
鳥取市の梨の品種ランキング。旬の時期ごとにギフトにもおすすめのブランド品種を紹介
鳥取県の名産といえば、二十世紀梨です。栽培開始から百年以上の歴史をもつブランド梨ですが、近年では県主導のプロジェクトや鳥取大学の研究チームによって新しい品種が次々に開発されて行っています。
青梨、赤梨、双方の交配種など、県内だけでなく国内外に流通する梨はメジャーなものだけでも十数種類に上ります。
今回は、夏から初冬にかけて旬ごとに楽しめる鳥取市の梨の品種を、人気の高いものを選んで紹介していきます。
8月が旬の梨の人気品種2種
梨の中で比較的早い8月はじめから旬を迎える梨は2種類あります。赤梨の幸水と青梨の夏さやかです。
夏さやか・短い旬を逃さず香りを楽しみたい青梨
出典 とっとり市
鳥取県でしか栽培されておらず、収穫後1週間ほどで食べごろを過ぎてしまう希少な青梨です。
二十世紀を品種改良してできた「八雲」と、同じく二十世紀をルーツにもつ「おさ二十世紀」を交配させて作られた品種で、「二十世紀梨といえば秋が旬」という常識を打ち破った、云わば「夏に楽しめる二十世紀」です。
収穫直後は二十世紀特有の鮮烈な香りと食感が楽しめ、完熟時期を迎えたものはさらに濃く強い甘味を持つようになります。
冷やして食べると夏場にすっきりとおいしいスイーツになります。市内の方へのギフトとしても最適です。
幸水・赤梨の最高峰
出典 JAタウン
夏さやかとは対照的に、全国でもっとも多く栽培される赤梨の代表的品種です。赤梨は青梨に加えて甘味が強め、酸味が控え目という特徴を持っていますが、幸水は熟してもやや酸味が残るという青梨の良さを持った品種です。
果汁の多さや身の大きさなど、まさに赤梨の最高峰といえます。8月終わりごろに旬を迎えるため、夏バテしがちな時期の水分補給としてもおすすめなフルーツです。
9月~10月が旬の梨の人気品種4種
二十世紀と同時期に旬を迎える青梨と赤梨をそれぞれ2種類ずつ紹介します。
涼月・程よい甘さと柔らかさで万人に好まれる梨
出典 エースパック梨っこ館
9月始めに旬を迎える青梨の涼月は、歯ごたえのよさが特徴の青梨の中では比較的果肉が柔らかいことが魅力です。
夏さやかと同じく、二十世紀から改良されたおさ二十世紀を交配元に持っています。青梨は少し生野菜のような青味が強くて苦手、という方もいるかもしれませんが、涼月は香りも甘味もしっかりしていて食べやすいことから多くのファンを持っています。
毎年安定して収穫できる梨を作るという目標のもと、鳥取県主導で開発された品種です。まさに鳥取の次世代エース梨といえます。
優秋・肉質と甘味が秀逸
出典 鳥取県ホームページ
鳥取大学によって品種改良された青梨です。母木はTH3というおさ二十世紀から生まれた品種、父木の真寿は鳥取大学がおさ二十世紀からいち早く開発していたものとなっています。
身の大きさや形が比較的均一に育つという特徴を持っており、夏のギフトとして県外の方に発送するのにも向いています。
糖度も12度と比較的高く、450gまで大きく育つことから食べ応えもある梨となっています。
新甘泉・甘さが抜群で食べごろも長い
出典 全農鳥取アグリマーケット
8月終わりから9月にかけて旬を迎える、赤梨の中では早く出回るタイプの新品種です。鳥取の園芸試験場で開発されました。
赤梨の特徴をそのままに大きく育ち、糖度が14度と非常に高く、酸味が抑えられているのが特徴です。食べごろも10日ほどと長く楽しめることが魅力となっています。
秋甘泉・新甘泉のあとで楽しめる兄弟梨
出典 全農鳥取アグリマーケット
こちらも鳥取県園芸試験場で開発された、真甘泉の兄弟品種といえる梨です。旬を迎える時期が新甘泉よりやや遅いですが、酸味の少なさと甘味の高さは新甘泉にひけを取りません。
親しみやすい味わいと大振りで食べ応えのある所は新甘泉と非常に似ており、酸味の強い果物が苦手な方にとっては新甘泉に引き続き長く楽しめるおすすめの梨です。
晩秋に旬を迎える梨の品種2種
10月〜11月の始めとやや遅く旬を迎える梨の品種を2つ紹介します。
爽甘・鳥取大学で育った大玉の青梨
出典 とっとり市
鳥取大学で研究開発した晩生の青梨です。中国で古くから栽培されてきたコルラ香梨(シャンリー)という品種が親に採用されました。皮の色が赤梨に近い濃い色になることが特徴です。
実の大きさは最大で600gまで成長し、他の梨にくらべて群を抜いた大きさとなります。加えて糖度が15度とメロンやマンゴーに近い甘さになることも魅力の梨です。
王秋・栽培が難しいため希少な赤梨
出典 とっとり市
中国梨の慈梨や二十世紀、赤梨の新雪などさまざまな品種をルーツに持つ、シーズン最後の大玉の赤梨です。
果実が500gと大きく育つことが特徴で、身が大きければ大きいほど果汁も多いことから人気を得ています。
糖度が14度と高いことに加えて、引き立つ酸味を持ち食べやすい梨です。しかし、身が大きくなることと収穫時期に台風が多いことから安定した収穫が難しい課題を持っています。出会えたら見逃せない希少な梨となっています。
品種改良によって長く楽しめるようになった鳥取の梨
鳥取県で品種改良された新しい品種を中心に、鳥取市周辺で購入できる人気の梨を紹介しました。
新しい品種を作り出すことは、香りや味をさらによくすることと同時に、安定して収穫し一定の供給量を維持することでもあります。
県や鳥取大学によって様々な研究が行われた結果、夏から秋の終わりまで長くおいしい梨を楽しめるようになりました。
二十世紀といえば噛み応えのある肉質と酸味を含んだ香りが特徴ですが、そこから発展して甘味や柔らかさを獲得した新しい品種も、ぜひ試してみてください。