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砂のアーティストによる市街地展示とパフォーマンスのイベント・TOTTORI SAND ART2025
鳥取駅前商店街を拠点として、全国的に活躍するアーティストの方が作品展示やワークショップなどを行う「トットリサンドアート(TOTTORI SAND ART)2025」が令和7年11月1日〜9日まで開催されます。
空き家となった民家を利用した新たな空間づくりや、砂を使った音楽や映像のパフォーマンスで「小さな旅」を演出するイベントです。「砂」と「アート」の融合からなる新しい市街地の活用について紹介します。
トットリサンドアートの概要

トットリサンドアートは、市民も観光客も、大人も子どもも楽しめる街歩きイベントとして、「鳥取市中心市街地活性化協議会」が主催する実証実験です。砂をテーマにしたアート作品や、音楽パフォーマンスに触れることができます。
鳥取市の一大観光名所である鳥取砂丘に比べて、中心市街地を訪れる観光客の方はごく少ないのが現状です。そこで、「砂」というアイコンを元に鳥取砂丘と市街地を結びたい、鳥取の観光的な魅力を再発見したいというコンセプトから始まった企画です。
トットリサンドアート・イベントスケジュール
| 開催期間 | 令和7年11月1〜9日 |
| エリアマップ | トットリサンドアート公式HP |
| 問い合わせ | 公式HPより 各担当アーティストの公式Instagramなどでお問い合わせください |
イベントの詳細については、下記ページに詳しく記載していますのでぜひあわせてチェックしてみてください。
サンドパフォーマンスは、砂を使った音楽パフォーマンスです。ギターの音に合わせて変化する砂の動きを楽しむイベントのようです。
「リバーサルフィルム」とは、カメラで撮影したフィルムがそのまま写真のように鑑賞できる特殊なフィルムです。光に透かすことができるため、90年代ごろまでスライドプロジェクターのためのフィルムとして活用されていましたが、2005年を最後に製造修了となりました。
アート作品は、写真や彫刻、絵画などが展示されます。
トットリサンドアート・作品を鑑賞してみました

トットリサンドアートに参加している2名のアーティストの作品を鑑賞してみました。若桜街道沿いのビルを利用したオブジェの展示と、空き家となった古民家による写真の展示です。
「鳥取砂丘“ラオラオ・プヤプヤ大行進”」岡野元房

鳥取駅前若桜街道沿いのビルの中に展示された作品です。
「雲竜紙」という繊維の粗い和紙で作られたオブジェと、テラコッタ(素焼き)の彫刻が一種のストーリーを描くように配置されています。

和紙で造形されているのは「怪獣ラオラオ」と「ネオ鯨プヤプヤ」です。なぜ砂の上を行進しているのかは、会場にある解説をご参考ください。

空中に浮遊しているテラコッタのオブジェは妖精を乗せて空中を浮遊する繭のようなものなのだそうです。
和紙の灯りが照らすほんのりと薄暗い空間と、雲竜紙の独特の質感、怪獣の子どもの不思議な優しいフォルムが、日常から離れた感覚を演出しています。
アーティストの岡野元房さんについては、こちらの記事も参考にしてください。
「Wavelength」青木幸太

鳥取市川端商店街の街角にある古民家の一階を利用して、写真作品の壁面展示を鑑賞できます。お隣はGatherというバーになっています。

「ふつうに写す」というコンセプトのもとに、人や場所の日常を撮影した写真群です。会場は小上がりの座敷風になっており、靴を脱いで上がれるようになっています。ちゃぶ台が置かれていて、座ってくつろぐことも可能なようでした。
「この場所を知っている気がする」「こんなことをした思い出がある」そんな気持ちになる、「ふつうの暮らし」がカメラによって切り取られています。

アーティストの青木幸太さんは、鳥取市を拠点に雑誌やイベントのための撮影を行う写真家です。「あおき写真制作室」を運営し、「クライアントが希望する写真を撮影すること」を通じて「その中に隠れている課題」を見つけ出し、依頼者とアーティストがともに解決するという制作スタイルを持っています。
リバーサルフィルムの上映会はこちらの会場で行われます。スライドフィルムをお持ちの方は、ぜひ参加してみてください。
今回作品を鑑賞するにあたって、鳥取市で実証実験中の「鳥取シェアサイクル」を利用してみました。令和7年11月30日まで実施されている「鳥取シェアサイクル」については、こちらの記事を参考にしてください。
※鳥取市シェアサイクル紹介記事のURLを貼り付けてください。
鳥取市の観光街歩き実証実験「トットリサンドアート」まとめ

この記事では、令和7年11月1日から開催された「トットリサンドアート」について紹介しました。11月3日には音楽人形パフォーマンスとして、人形浄瑠璃と洋楽器のコラボパフォーマンスが行われました。
砂のオブジェに色を塗ったり、砂の箱庭を作ったりするワークショップも開催されたようです。商店街の古いビルの中や、角を曲がった向こう側の普段立ち止まることのないスポットで、不思議なアート体験ができます。
会場を探して路地裏の細い道をたどるのは、住み慣れた地域であることを忘れるような、まさに「ちいさな旅」でした。中心市街地の隠れた魅力が気になる方は、ぜひ会場となるスポットを訪れてみてください。