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鳥取市の家庭用生ゴミコンポスト普及事業。手軽な設置方法やコンポスト購入助成金について紹介

夏場の湿度と気温が高くなりやすい鳥取市周辺では、生ゴミから発生するコバエや臭いに悩む家庭も多いのではないでしょうか。

可燃ゴミとして出す際も、水切りをしっかりやらなくてはいけなかったり忙しくて回収日を逃したりとなにかと扱いに困るものです

鳥取市では、2024年現在家庭用の生ゴミコンポストの普及に対するいろいろな取り組みがあります

そこで今回は、県の受託研究として鳥取環境大学が研究実践している「とっとり流コンポスト」と、家庭用コンポストを置く場合の助成金、コンポストのメリットなどについて解説します。

とっとり流コンポストとは?

出典 公立鳥取環境大学

コンポストとは簡単に言うと、生ゴミを発酵分解させて堆肥のような状態にするための道具です

家庭用のコンポストには、置いておくだけのもの、回転させて空気を取り入れることで分解を早めるもの、一回分を密閉してしまうものなどいろいろなものがあります。

中でも手軽な方法として、「段ボールコンポスト」と「高倉式コンポスト」の2種類があります。とっとり流コンポストとは、この2つの良い点を合体させることで、より効率的で利用しやすい方法を確立するためのプロジェクトです

鳥取県の受託研究として、鳥取環境大学の松村教授によって進められており、平成25年度の時点で生ゴミの量の90%削減という結果を得られたそうです。

鳥取県ホームページとりネットでも、当時のマニュアルが掲載されており、参考にすることができます。

段ボールコンポストと高倉式コンポスト

段ボールコンポストは、二重底の段ボールにコンポスト基材と生ゴミを入れて混ぜ合わせ、通気性のよい台の上に置き虫除けシートをかぶせて保管する手法です

コンポスト基材とは微生物の力などを利用してゴミの分解を促すもので、段ボールコンポストにはピートモスが使われています。

ピートモスとは、植物が堆積してできた泥炭を乾燥させたもので、優れた土壌改良材として利用されているものです。

高倉式コンポストとは、日本伝統の発酵食品のノウハウを利用して発酵液を作り、米ぬか、落ち葉などと混ぜて発酵床とするものです。こちらの手法は、完成した堆肥を少し残しておいて次の発酵床として利用できる点が優れています。

段ボールコンポストは手軽ですが、堆肥が完成したあとは基材を新しく入れ直さなくてはいけません。高倉式コンポストは雑菌が繁殖すると発酵液が作れないことが課題です。

とっとり流コンポストは、これらの問題解決を進めるとともにコンポストを家庭に普及させることで、ゴミの削減を目指すプロジェクトです。

コンポストが家庭にあることのメリット

家庭用コンポストの最大のメリットは、一度に出す可燃ごみの量を減らせることにあります。家族の多い家庭では食事のたびに大量の野菜くずなどのゴミが出ることでしょう。

それをコンポストで処理することで、以下のようなメリットが得られます。

  • 鳥取市指定の可燃ごみ袋を買う量が減る
  • ゴミ袋の使用量が減ることでプラスチック削減につながる
  • 虫や臭いの発生を防ぐことができる

鳥取市指定可燃ゴミ袋は、一番大きなサイズが10枚入りで600円です。ゴミを出す回数が多いとそれだけ出費が増えるため、生ゴミを減らすことは家計の節約にもつながります。

あるいは、趣味で植物を育てたり、畑を作っている方には肥料を買わずに済むようになりますから、より利点が大きいといえるでしょう。

家庭用コンポスト利用の注意点

家庭用コンポストを利用するうえで注意しなくてはならないことが、残り物のおかずなどの残飯をいれることができないことです

調理された食品には脂質や塩分、水分が多いため、基材の中の微生物の生育を邪魔したり雑菌が繁殖する原因になります。

同様に、すでに腐ってしまった肉や魚も雑菌を繁殖させてしまうため基材の中に混ぜることはできません。

コンポストの中にいれるものは、米飯、野菜くずなどが適しています。市販のお惣菜やレトルト食品など利用する機会の多い食材の残りはそのまま生ゴミとして出さなくてはいけないため注意が必要です。

また、貝殻や卵の殻なども分解に時間がかかってしまうため、コンポストの中にいれるものとしては適していません。

このように、基材の中に混ぜることができる生ゴミが意外と限られてしまうということが家庭用コンポストの大きな課題です。

とはいえ、使い方を工夫すればメリットが多いことも事実です。残飯がほとんどない、レトルト食品は使わないといった家庭ならぜひおすすめです。

鳥取市の家庭用コンポスト購入助成金について

鳥取市には、「家庭用生ごみ堆肥化容器等購入費助成制度」があります。たとえば令和6年4月1日以降にコンポストを購入する場合、令和6年度補助金申請対象となります。

具体的な補助制度の内容です。

容器について

  • 電動式、中古品は対象外
  • 購入金額の3分の2、あるいは上限4,000円を助成
  • 一世帯につき5年間で2基まで
  • 領収書の原本と製品の取扱説明書を添えて申請

基材について

  • ピートモス及びもみ殻くん炭、その他生ゴミの堆肥化を目的としている製品が対象
  • 購入金額の3分の2、あるいは上限2,000円を助成
  • 一世帯につき1年度ごとに1回まで
  • 領収書の原本と生ゴミ堆肥化を目的とした製品ということが分かる書類を添えて申請

堆肥化が用途だと分かる書類は、公式サイトの説明ページを印刷したものなどでも大丈夫です。ただし、「生ゴミ堆肥化」などと明確に表記されていないものは補助の対象にならない場合もあるため注意が必要です。

購入助成金の申請手順

鳥取市役所本庁舎2階の生活環境課へ、必要な書類を揃えて提出してください。

申請に必要な書類のリストです。

  • 購入したときの領収書の原本
  • 容器、基材それぞれの取扱説明書など用途を確認できるもの
  • 助成金が入金される口座の通帳など口座番号が分かるもの
  • 印鑑

申請者本人が窓口で申請する場合は、署名だけで済むため印鑑の必要はありません。

2点の注意事項があります。

  • 助成金の支払いは先着順であり予算がなくなり次第終了
  • 購入したときクレジットカードなどにポイント加算されたら、ポイントを現金換算した分だけ補助対象外になり助成金が減額される

市販されている家庭用コンポストの値段は幅広く、数千円〜20,000円程度が相場です。最大で4,000円の給付を受けられるため、6,000円前後の製品が最もお得になります。

助成金を利用することでコンポスト購入のハードルが下がるかもしれません。高性能なものを使いたい場合なら、申請のメリットも大きくなるでしょう。

家庭用コンポストを使って生ゴミの量を削減

鳥取市で行われている、家庭用コンポスト普及事業について解説しました。

  • 生ゴミの量を減らし虫や臭いの発生を抑える
  • ゴミ袋を買う回数を減らせて家計の節約に繋がる

この2点が個人宅にコンポストを置く大きなメリットです。一方で、基材に混ぜられるゴミの種類が限られたり、ガーデニングや家庭菜園を行わない方はできた堆肥の扱いに困ったりと課題も多くあります

ただ、山陰は元々湿度の高い地域なことに加えて、2024年現在酷暑が続いているため、生ゴミが回収日までに腐敗する例も増えていることでしょう。

助成金事業もあり、手軽に設置しやすくなったコンポストを利用して、面倒な生ゴミ処理のストレスを解消してみてはいかがでしょうか。

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