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鳥取市空家管理業者登録・紹介事業について。事業の詳細と利用したい場合どうしたらいいか解説します

鳥取市空家管理業者登録・紹介事業について解説します。住民がおらず、所有者が独自に管理することが難しい空家を、登録業者が変わって維持管理するためのサポート事業です。
管理を希望する業者の方は鳥取市の審査を受けて登録事業者となり、空家の所有者は名簿をもとに契約する業者を探します。
この記事では、制度の詳細と利用契約の際に注意しなくてはいけない事項について紹介します。空家の所有者や管理業者の方は、参考にしてください。
鳥取市空家管理業者登録・紹介事業の目的

鳥取市空家管理業者登録・紹介事業には、主に3つの目的があります。
- 空家の維持管理の継続化
- 空家を良質な状態で市場に流通させるなどして近隣の環境保全を図る
- 高齢、遠方に住んでいるなど空家の管理が難しい方に、管理代行業務を行う人を紹介する
2025年現在、住民がおらず適切に管理されていない「管理不全空家」が全国的に多いことが問題視されています。管理不全空き家とは、空家の中にゴミが散乱していたり、補修がされていなくて倒壊の危険があるなど、地域住民の方の生活に影響を及ぼしてしまう空家のことです。
このような家屋を行政の管理下に置くことで、事故が起こったり犯罪に利用されることを防ごうというのが鳥取市の行う空家対策の目的といえます。
鳥取市の空家管理事業の流れ

鳥取市空家管理業者登録・紹介事業には3つのパートに分かれています。鳥取市、空家の所有者、管理事業者です。
空家管理を希望する事業者は鳥取市に申請を行い、「空家管理登録事業者名簿」に自身の情報を登録します。鳥取市は登録名簿をホームページで公開し、空家所有者はそれを参考にして管理を任せたい事業者を選定し、個人間で契約を結びます。
登録事業者の認定を受けるには
空家の管理を希望する管理業者の方は、鳥取市ホームページの要綱にあるように、登録資格を満たしているかを確認し(市民税を滞納していないか、管理業務についてホームページやパンフレットで広報ができるかなど)、誓約書や市民税の滞納がないことを証明する書類などを作成して鳥取市長に申請しなくてはいけません。
必要な書類は、ホームページからダウンロードできます。その後、鳥取市が書類の内容を確認して登録を決定し、登録決定通知書が発行されることで、登録事業者名簿への情報記載が可能になる流れです。
契約後の空家管理の内容
所有者と事業者の間で契約が結ばれたら、以下のような業務の代行を依頼できます。
- 家屋内、敷地内の清掃や庭木の剪定
- 外装の点検や雨漏りの確認
- 草刈りや害虫等の駆除
- 郵便物の転送
- その他
業務にかかる費用や業務内容は、契約する業者によって異なります。管理者名簿をもとに複数の業者の内容を確認してから契約することを、鳥取市が推奨しています。
空家管理事業を利用する上での注意点

鳥取市空家管理業者登録・紹介制度は、いわゆるマッチングサービスではありません。そのため、以下の2点に注意して利用することが重要です。
- 鳥取市が空家の所有者に対して、特定の業者を斡旋することはありません
- 鳥取市は所有者と事業者の契約の仲介は行いません
マッチングサービスは、ニーズを持つ人同士の希望を聞いたうえで、最適な業者や利用者を紹介してくれるサービスです。鳥取市の空家管理事業では、鳥取市が業者との契約に関する料金の設定や、紛争については関与しないと規定されています。
業者が契約内容に違反したり、名簿の内容に虚偽があったことなどが確認された場合は、鳥取市が管理業者を登録名簿から抹消します。そのため、登録名簿に名前がある業者は、鳥取市の審査を通っており一定の信頼がおける業者と言えるでしょう。
2025年4月時点の登録事業者数
鳥取市の空家管理事業者登録事業は、2025年4月1日から施行されました。鳥取市ホームページに登録事業者名簿が掲載されていますが、具体的な業者名や事業内容の記載はまだなされていないようです。
今後、登録申請に通った業者が増えれば随時名簿の情報が増えていくかもしれません。制度を利用したい空家所有者の方は、定期的にホームページを確認してみてください。
鳥取市空家管理事業者登録紹介制度のまとめ

この記事では、鳥取市内で空家を所有し、管理に困っている方と管理業務を希望する業者とを結びつける、空家管理事業者登録紹介制度について解説しました。
誰も住んでいない家屋を所有している方にとって、庭木が伸びたり外壁が剥がれたりして近隣住民に迷惑がかかるのは大きな不安ではないでしょうか。家主が高齢であったり、県外に住んでいたりして自力での維持管理が難しいケースも多いかもしれません。
こうした方たちのために、維持管理の可能な事業者名簿を作成することによって、空家のある地域の安全確保を図ることが目的の事業といえます。空家の管理や処理に困っている所有者の方は、登録名簿を確認して必要な管理業務を行ってくれる業者を探してみるのもいいかもしれません。